脚本での登場人物の紹介の仕方(初登場の書き方)
登場人物が初めてページに現れた瞬間に、読み手はその人がどんな人物かを判断します。このガイドでは、多くの映画・テレビ作品と Kashna Script が採用している国際標準(アメリカ式)の脚本書式を扱います。日本の縦書き脚本のように、国によっては独自の書式もあります。書式のルール(大文字と年齢、初登場の一度だけ)、紹介文に実際に何を書くか、脇役や名前のない人物の扱い、名前の統一、そして姿より先に声が聞こえる人物について解説します。よい例と悪い例を随所に載せています。
2026年9月更新 · 約7分で読めます
1. 書式のルール
セリフのある人物が初めて登場するときは、ト書きの中でその名前を大文字で書き、多くの場合、続けて括弧に年齢を入れます。初登場のあとは、ト書きでは名前をふつうに書きます。
知っておきたい点が3つあります。
- 大文字は初登場のときだけ。 大文字は読み手と制作現場への目印です。キャスティングやスケジュール作成の担当者は、これを頼りに各人物の初登場を探します。毎回大文字にすると、目印としての効き目が薄れます。
- 年齢は任意ですが、書くのが当然とされています。 多くの書き手は
(34)のような正確な年齢や、(30s)、(late 50s)のような幅で書きます。年齢を言葉で書く人もいます(「mid-thirties」など)。どれでも構いません。ひとつの書き方を選んで統一してください。 - 役名は常に大文字です。 セリフの上に置く名前は、脚本全体を通して大文字のままです。初登場のルールが当てはまるのはト書きだけです。全体のレイアウトは脚本の書式ガイドを参照してください。
フルネームの扱いは書き手によって異なります。セリフで呼ばれる名前だけを大文字にする人(NADIA)も多く、紹介時にフルネームを大文字にし(NADIA OKAFOR)、その後は名だけを使う人もいます。どちらも通用します。
2. 紹介文に書くこと
使えるのは1〜2行です。その行で見た目を並べ立てるのではなく、この人がどんな人物なのかを読み手に伝えてください。顔はキャスティング・ディレクターが見つけてくれます。あなたの仕事は本質を伝えることです。態度、エネルギー、読み手にその人を思い浮かばせるひとつのディテールです。
力のある紹介文は、たいてい次のうち1つ以上を満たしています。
- 人柄を一枚の絵でつかむ。 「ジーンズにアイロンをかける男」は、「几帳面」よりも多くを語ります。
- 何かをしている姿を見せる。 行動は形容詞よりも早く人物像を明かします。できるかぎり、何かの最中の姿で登場させましょう。
- 矛盾をほのめかす。 見た目と中身のずれこそが、人物を面白くします。
- 短く保つ。 1〜3行が一般的な目安です。主要人物なら少し多めでも構いませんが、ウェイターなら数語で十分です。
身体的な特徴は、物語やその人の人となりにとって意味があるときだけ書きましょう。手がかりになる傷あと、職業を示す制服、10年遅れの服装などです。髪や目の色が重要になることはまずなく、指定すればキャスティングの幅を狭めてしまいます。
3. よい紹介と悪い紹介
初心者に最も多いのが、まるで警察の調書のような描写です。
身長やシャツは分かっても、彼自身のことは何も分かりません。比べてみてください。
同じ人物で、たった1行。それでいて読み手には、彼の話し方まで聞こえてきます。もうひと組見てみましょう。
弱いほうは、カメラでは撮れない形容詞を並べています。強いほうは、それをにおわせる行動を見せています。原則として、俳優が演じられず、カメラが撮れないものは、演じられて撮れるものに書き直しましょう。
Kashna Script では、書式ではなく人物のことだけを考えられます。 役名、セリフ、括弧書きの指示は入力するそばから正しい位置に収まり、メニューは不要で、すべての機能がキーひとつで使えます。先行アクセスに登録する。
4. 脇役と名前のない人物
すべての人物に名前が必要なわけではありません。一度だけ登場してセリフが1〜2行の人物は、ふつう役割で呼びます。
よく使われる慣習:
| 状況 | 書き方 |
|---|---|
| 一度きりの役 | 初登場時に役割を大文字にします。a NURSE、the BARTENDER。役名も同じ語にします。 |
| 同じ役割の人物が複数 | 番号を振ります。WAITER #1、WAITER #2、または GUARD 1、GUARD 2。 |
| 声をそろえて話す集団 | 集団名を役名にします。CROWD、STUDENTS。 |
| 一言も話さない背景の人々 | ほとんどの脚本では大文字は不要です(「a few commuters wait on the platform.」)。キャスティングが必要な場合は、それでも大文字にする書き手もいます。 |
| 短い描写を添えた呼び名 | 役割だけでは曖昧すぎるときに便利です。TIRED NURSE、YOUNG COP。 |
役に立つ見分け方があります。セリフが1行しかない人物に名前を付けようとしていると気づいたら、その名前が読み手の助けになるかを考えてください。名前は重要さのサインです。名前のあるウェイターが出てくると、読み手は彼がいつ再登場するのかと気になってしまいます。
5. ひとりの人物に、ひとつの名前
一度名前を決めたら、ト書きでもすべての役名でも、その名前を使います。最初のシーンで DETECTIVE HALE だった人物が、後の役名で HALE、SARAH、THE DETECTIVE になってはいけません。読み手は混乱し、スケジュールやキャスティングの香盤表では、それぞれが別人として扱われてしまいます。
物語の中で名前が変わる人物はどうするのでしょうか。一般的な方法は次のとおりです。
- 名前が後で明かされる場合。 最初は描写で紹介し(
THE STRANGER)、名前が明かされる場面でト書きにその変化をはっきり書きます。「The Stranger, whose name we now learn is VICTOR, sits down.」のようにです。混乱を避けるために最後まで元の役名を使い続ける書き手もいます。分かりやすければ、どちらでも問題ありません。 - ほかの人物があだ名で呼ぶ場合。 セリフでは「Bobby」「Robert」「Sir」と呼ばれても構いません。役名は
ROBERTのままです。 - 似た名前。 頭文字が同じだったり響きが似ていたりする主要人物を2人置くのは避けましょう(Dan と Don、Mia と Maya)。読み手は役名を斜め読みします。
6. 姿より先に声が聞こえる人物
人物が登場する前に、声が先に聞こえることがあります。隣の部屋からの声や、画面の外からの叫び声などです。(O.S.) のエクステンションを使い((O.C.)、つまりオフカメラを使う書き手もいます)、姿を現したときに改めてきちんと紹介します。
ここでの大文字の扱いは書き手によって異なります。上の例のように、声のあとの最初のト書きで名前を大文字にする人もいます。それがその人物の視覚的な初登場だからです。セリフの前に短いト書きを入れて、誰が話しているのかを読み手に知らせる人もいます。どちらでも構いません。大切なのは、その声が誰のものなのか、読み手が決して迷わないことです。
一度も姿を見せない語り手や、録音の声には、代わりに (V.O.) を使います。これについてはボイスオーバーのガイドで、電話の向こうの声については電話シーンのガイドで解説しています。
7. よくある間違い
- ト書きに出てくるたびに名前を大文字にする。 大文字は初登場のときだけです。
- 同じ人物を2回紹介する。 脚本の中で名前ごとに検索しましょう。大文字と年齢は、ひとつの場面にだけ属するものです。
- 紹介を忘れる。 紹介される前にセリフを話す人物がいると、読み手は「誰?」と戸惑います。
- 警察の調書のような描写。 身長、体重、目の色、服装一式。それよりも、その人となりを読み手に渡しましょう。
- 撮影できない過去の説明。 「10年前に弟を亡くし、ずっと自分を許せずにいる」は目に見えません。後のシーンで見せましょう。
- 一度に大勢を紹介する。 ひとつの段落に10人の名前があると、読み手は誰ひとり覚えられません。主要人物だけを紹介し、残りは役割で呼びましょう。
- 年齢の書き方が不統一。 ひとつの脚本で
(34)、「thirties」、(mid-30s)を混ぜると、雑な印象を与えます。
8. よくある質問
脚本では登場人物の名前を毎回大文字で書くのですか?
いいえ。ト書きで人物の名前を大文字にするのは、初めて登場するときだけです。セリフの上に置く役名は常に大文字です。
脚本に登場人物の年齢は必ず書く必要がありますか?
必須ではありませんが、重要な人物については書くのが標準で、書くことが期待されています。(34) のような正確な年齢でも、(30s) のような幅でも構いません。
登場人物の紹介文はどのくらいの長さにすればいいですか?
ふつうは1〜3行です。主要人物は少し長めでも構いませんが、脇役は数語で足りることがよくあります。
脚本で名前のない人物はどう書けばいいですか?
GUARD や NURSE のように役割で呼び、初登場時に大文字で書きます。複数いる場合は WAITER #1、WAITER #2 のように番号を振ります。
登場人物の外見は描写したほうがいいですか?
物語にとって意味があるか、その人の人となりを明かすディテールだけにしましょう。髪の色や身長、服装の列挙よりも、性格と行動に焦点を当ててください。
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