脚本の表紙の書き方:書式と記載項目
表紙は読み手が最初に目にするページで、その役割はひとつだけです。脚本のタイトル、書いた人、そして連絡先を伝えることです。このガイドでは、多くの映画・テレビ作品と Kashna Script が採用している国際標準(アメリカ式)の脚本書式を扱います。日本の縦書き脚本のように、国によっては独自の書式もあります。脚本の表紙に何を書くのか、スペック脚本では何を書かないのか、それぞれをページのどこに置くのか、そして1ページ目を読まれる前から素人っぽく見えてしまう小さな間違いを、具体的に解説します。
2026年9月更新 · 約7分で読めます
1. 表紙の役割
脚本の表紙は、飾り気のないただの表紙です。ポスターでも、売り込みでもありません。読み手は1週間に何本もの脚本を読むので、最初のページはほかのプロの表紙と同じ見た目であることを期待しています。そうすれば、注意がまっすぐ物語に向かうからです。
だからこそ、表紙のルールは単純です。少ないほど良い。表紙に載せるものはすべて、3つの問いのいずれかに答えるものであるべきです。これは何か?誰が書いたのか?どうすれば連絡がとれるのか?
表紙には本文と同じフォント、12ポイントの Courier または Courier 系のフォントを使います。ページ番号は付けず、ページ数にも含めません。1ページ目は物語の最初のページです。それ以外のページ設定に不安があるなら、脚本の書式の完全ガイドを参照してください。
2. 表紙に書くこと
標準的なスペック脚本の表紙に載せる要素は、ほんのいくつかだけです。
| 要素 | 書き方 |
|---|---|
| タイトル | 脚本のタイトル。たいていは大文字で書きます。太字や下線を加える書き手もいますが、飾りのない大文字にしておけば間違いありません。 |
| クレジット表記 | ほとんどの場合は Written by で、タイトルの下に1行で書きます。 |
| 作者名 | クレジットに載せたい形のあなたの名前を、クレジット表記の下に書きます。 |
| 原作 | 該当する場合のみ。Based on the novel by のような行に続けて、原作者の名前を書きます。 |
| 連絡先 | 名前、メールアドレス、電話番号を左下に書きます。エージェントやマネージャーがいる場合は、あなたの代わりに、またはあなたの連絡先と並べて、その人の連絡先をここに書くのが一般的です。 |
これで全部です。テレビドラマのパイロット脚本の場合は、タイトルの位置に番組名を書き、その下の行に、多くは引用符で囲んだエピソードのタイトルを書きます。それ以外は同じです。
3. Written by、Screenplay by、Based on
クレジット表記は映画業界の慣習に従っており、読み手はそれをよく知っています。自分の状況に合うものを使いましょう。
- Written by は、自分のアイデアからオリジナル脚本を書いた場合の標準的なクレジットです。スペック脚本の書き手のほとんどがこれを使います。
- Screenplay by は、小説、戯曲、記事など、既存の作品を脚色した場合によく使われ、Based on の行と組み合わせます。
- Story by は、物語を考えた人と脚本を書いた人が別の場合に使われます。スペック脚本で必要になることはまずありません。
チームで共同執筆した場合は、名前をアンパサンドでつなぎます。Maria Lopez & Sam Park のように書きます。業界のクレジットでは、アンパサンドは一緒に書いたチームを、and という単語は別々に書いた脚本家を示します。自分のスペック脚本でコンビを組んでいるなら、アンパサンドを使うのが正解です。
脚色の場合は、自分のクレジットの下に原作とその作者を書きます。
実務上の注意をひとつ。脚色作品を書くのは、原作の権利を持っているか、確保済みの場合だけにしましょう。表紙にこの行を書いても何の権利も得られません。物語がどこから来たのかを読み手に伝えるだけです。
4. レイアウトと配置
公式のテンプレートがひとつあるわけではありませんが、標準的なレイアウトはかなり統一されているので、そこから外れると目立ちます。US Letter または A4 のページでの各要素の位置は、次のとおりです。
| 要素 | 位置 |
|---|---|
| タイトル | 左右中央、ページの上からおよそ3分の1の位置。 |
| クレジット表記 | 中央揃え、タイトルの下に空行を2〜4行ほど空けて。 |
| 作者名 | 中央揃え、クレジット表記の下に空行を1行空けて。 |
| 原作の行 | 中央揃え、作者名の数行下。 |
| 連絡先 | ページ下部に左揃えで、シングルスペース、通常の余白の内側に。 |
連絡先を右下に置く書き手もいます。どちらも認められていますが、より一般的なのは左下です。大切なのは、連絡先が見つけやすいこと、そして行をばらばらに置かず、ひとつのまとまりにすることです。
Kashna Script には表紙デザイナーが組み込まれています。タイトル、クレジット、連絡先を入力するだけで、ページが標準の位置にレイアウトされ、業界標準の形式で書き出せる状態になります。先行アクセスに登録する。
5. 表紙の実例
ほぼ実際の比率で再現した、スペック脚本の表紙の完全な例です。上部の空行でタイトルをページの約3分の1の位置まで下げ、連絡先のまとまりは左下に置いています。
書かれていないものに注目してください。日付も、稿の番号も、ロゴも、タグラインもありません。読み手はタイトル、書き手、連絡先を確認して、ページをめくります。
避けるべき表紙は、たとえば次のようなものです。
ここで加えられた行はどれも、読み手が当然と考えていることを繰り返しているか、できれば知られたくないことを伝えてしまっています。
6. スペック脚本の表紙に書かないこと
スペック脚本とは、売れることを期待して、あるいは執筆サンプルとして使うために、自主的に書いた脚本のことです。制作用の稿には別のルールがありますが、スペック脚本については、表紙をすっきりさせておくのが現在の一般的なアドバイスです。やり方は人によって異なり、プロがこれらのルールを破っている例も見かけますが、次の項目を書かないことが間違いになることはありません。
- 日付。日付は、その脚本がどれくらいの期間出回っているかを読み手に教えてしまいます。古い日付があると、誰かが読む前から脚本が古びた印象になりかねません。
- 稿の番号。「第3稿」や「改訂稿」と書くと、それまでにいくつの版があったのかと思わせてしまいます。読み手にとって、スペック脚本はすべて決定稿です。制作用の脚本には日付や改訂の表示が入りますが、それはプロジェクトが開発段階に入ってからのことです。
- WGAの登録番号や著作権の番号。脚本を登録したり著作権を確保したりするのは賢明ですが、その番号を表紙に印刷しないようにというのが大方のアドバイスです。盗用を心配している書き手に見えることがあり、読み手にとっては何の役にも立ちません。
- 画像、ロゴ、イラスト。ポスターのようなアート、自作の制作会社ロゴ、装飾的なフォントは使いません。
- 引用文やタグライン。宣伝文句は表紙にふさわしくありません。エピグラフを入れたい場合、1ページ目の最初のシーンの上に置く書き手もいますが、何も入れないほうを好む読み手が多くいます。
- ジャンル、ページ数、ログライン。これらは売り込みの手紙や応募フォームに書くもので、脚本に書くものではありません。
7. よくある間違い
- 表紙にページ番号を付ける。表紙には番号がありません。物語の最初のページが1ページ目です。
- 違うフォントを使う。表紙を含め、脚本全体を Courier で書きます。凝ったタイトル用フォントは、初心者だと見抜かれる最もよくある原因です。
- 「An Original Screenplay by」と書く。「Written by」だけで十分に伝わります。余計な言葉は紙面を散らかすだけです。
- 連絡先がない。あなたの脚本を気に入った読み手が、あなたに連絡できなければなりません。メールアドレスと電話番号は必ず書きましょう。
- タイトルが一致していない。表紙のタイトルは、ファイル名や売り込みの手紙に書いたタイトルと一致させます。食い違いは雑な印象を与えます。
- ページを詰め込みすぎる。表紙の文字が8行ほどを超えるなら、おそらく何かが余計です。
表紙ができたら、読み手が次に確認するのは長さです。それについては脚本は何ページが適切かのガイドで解説しています。まだ執筆中なら、脚本の書き方から始めてください。
8. よくある質問
脚本の表紙には何を書けばいいですか?
タイトル、Written by などのクレジット表記、作者名、脚色作品なら Based on の行、そして左下に連絡先です。それ以外は必要ありません。
脚本の表紙に日付は書くべきですか?
スペック脚本の場合、ほとんどの書き手は日付を書きません。脚本がどれくらい出回っているかがわかってしまうからです。制作用の稿には、プロジェクトが制作段階に入ってから日付が入ります。
表紙にWGAの登録番号は書くべきですか?
現在のアドバイスの大半は「書かない」です。登録したければしてもかまいませんが、読み手には何の役にも立たないので、番号は表紙に書かないようにしましょう。
表紙は1ページ目に数えますか?
いいえ。表紙にはページ番号がなく、ページ数にも数えません。1ページ目は物語の最初のページです。
Written by と Screenplay by の違いは何ですか?
Written by はオリジナル脚本に使います。Screenplay by は、ほかの作品を脚色した脚本に使われるのが一般的で、原作を示す Based on の行と組み合わせます。
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