三幕構成とは:脚本の構成の基本
三幕構成は、脚本を組み立てる最も一般的な方法です。問題を提示する始まり、その問題が困難さを増していく中盤、そして決着がつく結末。このガイドでは、各幕の役割、重要な転換点と110ページの脚本でそれがおおよそどこに来るのか、テレビドラマや短編映画での考え方、そして新人の書き手がつまずきやすい誤解を解説します。最後に、ひとつの物語を使った完全な実例を紹介します。
2026年9月更新 · 約8分で読めます
1. 三幕構成とは
最も単純に言えば、物語には設定、対立、解決の3つの部分があります。主人公とその世界に出会い、何かがその世界をかき乱して主人公を行動に駆り立て、その闘いが成功するか失敗したところで物語は終わります。
脚本家がこの形を使うのは、観客が物語を追いかける流れと一致しているからです。脚本がきちんと前に進んでいるかを確かめる手段にもなります。各幕の終わりで何かが変わっているか、プレッシャーは高まり続けているか、という確認です。
三幕構成は法律ではなく、地図だと考えてください。もっと細かいモデルで計画する書き手も多く、10〜15ページ単位のシークエンスで考える書き手もいますし、この形をあえて崩した優れた映画もたくさんあります。それでも、目にするほとんどのモデルはこの3つの動きのバリエーションなので、出発点としてはこれが最適です。
2. 3つの幕
第1幕:設定
第1幕では、主人公、その望み、その人生で何がうまくいっていないのか、そして主人公が生きる世界を紹介します。そして、その世界を乱す何かが起こります。幕の終わりまでに、主人公は簡単には引き返せない行動に踏み出します。
第2幕:対立
第2幕は脚本の中で最も長い部分で、たいてい全体の約半分を占めます。主人公は目的を追い、障害、敵、そして行動の結果にぶつかります。試みるたびに、前回より大きな代償を払うようにしましょう。中盤あたりで何かが物語の向きを変え、終盤では主人公がどん底に落ちます。
第3幕:解決
第3幕は最後の対決です。主人公は学んだことをもとに行動し、最大の障害に正面から立ち向かい、物語の中心となる問いに答えが出ます。短い締めくくりの部分で、変化のあとの世界が示されます。
3. 重要な転換点
幕はページ番号で終わるのではありません。何かが物語を新しい方向へ転換させたときに終わります。脚本術の指導者の多くが挙げるのは、次の瞬間です。
- きっかけとなる出来事(インサイティング・インシデント)。主人公の日常を乱し、物語を始動させる出来事です。映画の残りの部分が答えることになる問いを投げかけます。
- 第1幕の終わり(プロットポイント1とも呼ばれます)。主人公が決断し、主要な対立の中へ入っていきます。もう元の状態には戻れません。
- ミッドポイント。第2幕の真ん中で起きる大きな転換です。偽りの勝利、偽りの敗北、事実の発覚、あるいは代償の引き上げ。主人公が受け身から能動へと変わるきっかけになることがよくあります。
- どん底、または危機。第2幕の終わり近くで、すべてが失われたように見えます。計画は失敗し、主人公は避け続けてきた欠点や恐れと向き合わなければなりません。
- 第2幕の終わり(プロットポイント2)。新しい考え、選択、あるいは情報が、主人公を最終幕へと送り出します。
- クライマックス。決定的な対決です。主人公の最後の選択が、その人物がどう変わったのかを示します。
- 解決(結末)。その後の様子で、たいていは短くまとめます。何が変わったのかが描かれます。
4. 転換点はどのページに来るか
脚本の1ページはおよそ1分の上映時間にあたるため(脚本の長さのガイドを参照)、書き手は構成をページ番号で語ることがよくあります。下の表は、約110ページの脚本についての一般的な目安です。ルールではありません。読み手はページ番号をチェックしませんし、物語がうまくいっていれば、転換点が5ページ早くても遅くても問題ありません。
| 瞬間 | おおよそのページ(110ページの脚本) |
|---|---|
| 設定の始まり | 1ページ目 |
| きっかけとなる出来事 | およそ10〜15ページ |
| 第1幕の終わり | およそ25〜30ページ |
| ミッドポイント | 55ページ前後 |
| どん底/危機 | およそ75〜85ページ |
| 第2幕の終わり | およそ85〜90ページ |
| クライマックス | およそ95〜105ページ |
| 解決 | 最後の数ページ |
もっと簡単な覚え方もあります。第1幕が脚本の約4分の1、第2幕が約半分、第3幕が約4分の1です。長さの違う脚本なら、数字を比例させて調整しましょう。
構成は、物語全体を一度に見渡せると直しやすくなります。Kashna Script のシーンカードを使えば、幕を並べて転換点を動かせます。その間も、脚本の書式は入力するそばから自動で整います。先行アクセスに登録する。
5. 実例で見る三幕構成
転換点どうしがどうつながるかを示すために、オリジナルの物語を3つの幕に分けてみます。
物語:ミナは海辺のホテルで結婚式を取り仕切っています。几帳面で冷静、自分の担当で何かが失敗したことは一度もないのが誇りです。彼女は弟のテオと8年間口をきいていません。
- 設定(1〜10ページ)。ミナが朝食前に3つのトラブルを解決する姿が描かれます。今週末の注目の結婚式の出来次第で、彼女の昇進が決まることがわかります。
- きっかけとなる出来事(12ページ)。前夜祭のディナーで、ミナはついに新郎と対面します。それはテオでした。
- 第1幕の終わり(27ページ)。新婦はミナに残ってほしいと懇願します。ミナは結婚式を同僚に任せることもできますが、そうすれば昇進を逃します。彼女は自分で式を仕切り、過去を秘密にすると決めます。
- ミッドポイント(55ページ)。テオはミナと二人きりになったとき、姉に会いたくてわざと彼女のホテルを選んだのだと打ち明けます。秘密は二人のものになり、賭けられているものが個人的なものに変わります。
- どん底(80ページ)。新婦がミナの正体を知り、彼女が式を妨害しようとしていると責めます。ミナは結婚式の担当を外されます。昇進は消え、弟も失ったように見えます。
- 第2幕の終わり(88ページ)。ミナは、本当の災難は結婚式ではなく、8年間の沈黙だったと気づきます。彼女は戻ります。プランナーとしてではなく、姉として。
- クライマックス(100ページ)。式が崩れかけるなか、ミナはすべてをコントロールしようとするのをやめ、全員の前で真実を語ります。
- 解決(106〜110ページ)。テオの結婚式は、完璧ではないものの無事に行われます。ミナは家族の席に座っています。
どの転換点も、時計ではなく、選択や発見によって引き起こされていることに注目してください。きっかけとなる出来事は、ページの上ではたとえばこうなります。
そして、避けるべき間違いがこちらです。長編のスペック脚本では、ほとんどの書き手はページ上に幕の見出しを付けません。構成は感じさせるものであって、宣言するものではないのです。
6. テレビドラマと短編映画
テレビドラマ
テレビでも原理は同じですが、形が異なります。CMが入るテレビ向けの脚本は、各幕がCMの前で終わる必要があるため、たいていもっと多くの幕に分かれます。4〜6幕に、ティーザー(コールドオープン)が加わることがよくあります。視聴者を引き戻すため、幕の切れ目ごとに転換やクリフハンガーが必要です。配信向けの脚本では幕の見出しを省くことが多いものの、ほとんどは明確に盛り上がっていく形を保っています。
テレビドラマの1話には、複数の物語が流れています。1話の中にAストーリー、Bストーリー、ときにはCストーリーがあり、それぞれに小さな始まり、中盤、結末があります。さらにシーズン全体を通して見ると、大きな物語がそれ自体で三幕の形をとっていることもよくあります。
短編映画
5〜15ページの短編映画には、すべての転換点を入れる余裕はまずありません。たいていは3つの動きを保ちながら圧縮します。1〜2ページの設定、明確なひとつの葛藤、そして素早く着地する結末です。優れた短編の多くは、ひとつの転換を軸に組み立てられています。物語が必要としていないなら、8ページの中にミッドポイントとどん底を無理に押し込まないようにしましょう。
7. よくある誤解
- 「三幕構成は公式だ」構成が教えてくれるのは、どこでプレッシャーを高めるべきかであって、何が起きるべきかではありません。まったく同じ構成の2本の脚本が、まったく違う物語になることもあります。
- 「ページ番号は締め切りだ」25ページ目ぴったりに転換点を置いても、脚本が良くなるわけではありません。きっかけとなる出来事が18ページ目に来ても、冒頭が引き込まれるものであれば問題ありません。
- 「第2幕はただの中盤だ」ほとんどの脚本がつまずくのは第2幕です。たいていは、主人公が同じ種類の試みを繰り返してしまうのが原因です。新しい障害が現れるたびに、新しい種類の選択を迫るようにしましょう。
- 「きっかけとなる出来事はオープニングのシーンだ」そうなることもありますが、たいていは先に数ページ分の日常を見せる必要があります。そうしてこそ、日常が乱されることに意味が生まれます。
- 「優れた映画はすべて三幕構成だ」ほかのモデルを使う書き手も多く、あえてこの形を崩す物語もあります。三幕構成は便利な基本形であって、唯一の方法ではありません。
ゼロから脚本を計画するなら、まずログラインのガイドを参考にアイデアを1文で試し、それを軸に幕を組み立てましょう。脚本の書き方のガイドでは、全体の流れを解説しています。
8. よくある質問
脚本の三幕構成とは何ですか?
物語を設定、対立、解決の3つに分ける構成です。第1幕で主人公と問題を紹介し、第2幕で対立を激化させ、第3幕でそれを解決します。
三幕構成の各幕は何ページずつですか?
一般的な目安として、第1幕が脚本の約4分の1、第2幕が約半分、第3幕が約4分の1です。110ページの脚本なら、それぞれおよそ25〜30ページ、55〜60ページ、20〜25ページになります。
きっかけとなる出来事はどこに置けばいいですか?
長編の脚本では、観客が主人公の日常を見たあと、およそ10〜15ページあたりに置かれることが多いです。これは目安であって、ルールではありません。
脚本のミッドポイントとは何ですか?
ミッドポイントとは、第2幕の真ん中で起きる大きな転換です。偽りの勝利、偽りの敗北、事実の発覚などによって、代償が引き上げられ、物語の向きが変わります。
テレビドラマも三幕構成を使いますか?
原理は同じですが、CMが入る前提で書かれるエピソードは、たいてい4〜6幕など、より多くの幕に分かれ、それぞれの幕が転換で終わります。
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